美容整形の健康保険適用ケースと非適用ケース

美容整形外科では健康保険が使えない、つまり非適用とされる治療が多数あります。そのため誤認されやすいのが、美容整形外科では全ての治療に健康保険が使えないという解釈です。実は、美容整形の治療でも健康保険が適用されるケースもあります。

ここでは、美容整形の健康保険適用ケースを非適用ケースについて紹介します。


健康保険で医療費負担が軽くなる仕組み

健康保険への加入は、法律で定められた国民の義務です。

そのため、健康保険を利用した医療費の支払いが当たり前のようになっています。健康保険の適用を受けるメリットは、診療や投薬などにかかる医療費を全額自己負担せずに済むことです。

つまり、医療機関が請求している医療費は、健康保険加入者が負担するより多いということ。なぜ全額自己負担せずに済むのかといえば、国民保険や社会保険組合から医療給付を受けているからです。この医療給付の一部には自分が支払ってきた保険料も含まれていますが、他の保険加入者が支払った保険料も含まれています。

多くの加入者がいて保険料の支払いも滞りない健康保険機関では、経済状況が安定的です。しかし、加入者による保険料の支払いが安定せず、定収入で保険料額も低い人が多い保険機関では、医療費の自己負担の割合が上げられることもあります。

いずれにしても、加入者が定められた保険料をきちんと支払っているからこそ、健康保険を使って医療費負担を軽くすることができるのです。


美容整形治療は多数が自由診療

美容整形治療では、多くの場合、自由診療と呼ばれる診療がおこなわれています。自由診療では、医療機関と患者との取り決めによって診療費がやり取りされるというのが建前です。健康保険が適用されない診療でもあり、医療費の全額が自己負担となります。

健康保険が適用されれば1~3割の自己負担で済むのに、全額の医療費を自分で支払わなければならないのは大きな負担です。なぜ美容整形の診療の多くが自由診療になるのかには、理由があります。美容整形外科でおこなわれている診療は、多くが美容を目的としています。

健康保険では基本的に、美容を目的とした診療には医療費負担軽減の制度を使えません。美容整形外科で診療を受ける人は増加していますが、ほとんどのケースが全額自己負担で医療費を支払っています。他の診療より高い技術が必要だから高額な医療費になるというわけではなく、健康保険が適用されない理由があるから医療費が全額自己負担の高額になるのです。

美容整形治療でも健康保険が適用されるケース

多くの診療で健康保険が非適用になる美容整形外科ですが、中には健康保険が適用される診療もあります。それは、病気や怪我のために診療が必要になるケースです。美容目的で美容整形治療を受ける人にも、病気や怪我によって生活に支障が出てしまっているケースがあります。

そのような場合には、美容整形治療でも健康保険が適用されて医療費負担が軽減されます。現状より美しくなりたいという、外見を整える希望がかなう美容整形治療。仕事に支障をきたしたり、他人に著しい不快感を与えるような場合は、より外見を整える必要性がより高いと判断されることもあります。

例えば、眼瞼下垂というまぶたがたるんで自力では開けにくくなる症状では健康保険が適用されるケースがあります。先天的な症状の他、加齢や外傷によって眼瞼下垂になることもありますが、いずれの場合でも視界が狭くなって仕事がしにくい、日常生活に支障をきたすというときは健康保険適用の対象になり得ます。

シミ治療によく用いられるレーザー治療も、一部では健康保険を使用可能です。太田母斑・異所性蒙古斑・扁平母斑・単純性血管腫・外傷性色素沈着(外傷性刺青)などは、健康保険が適用される代表的な美容整形治療です。

ワキガなども、著しく他人に不快感を与えるようなケースは診療で健康保険が適用されることがあります。

美容整形以外でも健康保険が使えないケース

美容整形外科での診療で健康保険が適用されるケースがある一方で、美容整形以外の診療で健康保険が非適用になるケースもあります。シミやアザが先天的にある場合でも、治療が必要な症状があると診断されなければ健康保険は使えません。

この判断に関しては、医療機関によっても差が出てきます。単なる疲労や倦怠によってニンニク注射やビタミン注射などを美容整形外科で受けた場合、自由診療となるのが通常です。ところが、疲労が続いて病気ではないかと疑われるときの診療では、健康保険が適用されることがあります。

斜視や生まれつきの口唇裂なども、仕事に支障をきたしたり見た目で生活に不自由することがあれば健康保険が適用されるケースもありますが、全てのケースで健康保険適用となるわけではありません。健康診断や人間ドック、予防注射なども健康保険の適用外です。

勤務先で費用を負担してくれるところもありますが、自分で支払おうとすると高額な費用がかかることに気付きます。異常出産以外の正常な妊娠・出産にかかる医療費も、健康保険は適用されません。経済的な理由による人工妊娠中絶手術費用も、全額が自己負担です。

だからこそ、妊娠・出産や中絶手術には、支払わなければならない費用がかさみます。研究中の高度医療に関しては、特例を除いて全額自己負担です。特例として認められているのは、都道府県知事の承認を受けた大学病院などの特定承認保険医療機関で厚生労働大臣が定めている診療を受けるとき。

ただし差額は自己負担となるため、もともとの医療費が高額な場合は差額負担も重くなります。

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美容整形外科で健康保険証の提示は必要か

健康保険を使えない診療を受けるときには、健康保険証を提示する必要もないのではないかという疑問もあります。ところが、美容整形外科でも健康保険証の提示が求められるケースと提示不要なケースがあります。一例としては、年齢確認のために健康保険証の提示を求めるケースです。

健康保険証には、年齢が記載されています。美容整形外科では年齢によって受けられない治療もありますから、確認が確実で簡単な健康保険証を利用しているわけです。医療機関での医療費は、診療を受けてからの支払いです。

診察によっては、健康保険が適用される美容整形治療も出てきます。念のため、受付で健康保険を提示しておき、適用か非適用かは診療中から診療後に決められる医療機関もあるのです。

全額自己負担でよいと申告すれば健康保険非適用として診療を受けられることもありますが、原則としては国民の誰もが健康保険に加入しているという前提があるのも事実です。美容整形の診療を受けるときにも、一応健康保険証を持参したほうがよいでしょう。